「皿に残った最後の一つを食べるときの幸福度は大きい」は本当か?
公開日 / 執筆 DemaGase編集部
結論
「皿に残った最後の一つを食べるときの幸福度は大きい」という説の判定は「一部誤り」。「最後だ」と意識したときに、その食べ物をより好ましく感じるという実験結果は報告されている。
判定
一部には事実が含まれているものの、誇張や条件の抜け落ちがあり、全体としては誤解を招く説です。 「一部誤り」と判定した記事の一覧
よくある説(俗説)
皿に残った最後の一つを食べるときの幸福度は、そうでないときの食べ物よりも大きい
皿に残った最後の一つを食べるときは、それまでの一口よりも幸せを感じやすいという話がある。「最後の一個」を特別に感じた経験のある人は多く、実感に合う話として受け入れられやすい。
検証
この話に近い研究は実在する。2012年に学術誌 Psychological Science に掲載されたミシガン大学の O'Brien と Ellsworth の研究では、参加者に数種類のチョコレートを順に試食してもらったところ、「最後の1つ」として食べたチョコレートがより高く評価されたと報告されている。研究者は、終わりを意識すると経験を肯定的に受け止めやすくなる「ポジティブバイアス」があると説明している。ただし、この研究で測られたのは試食したチョコレートの好ましさの評価で、「皿に残った最後の一つ」の状況や幸福度そのものを調べたわけではない。1つの実験結果を、あらゆる食事場面に当てはまる一般法則として語るのは言い過ぎだ。
実際の有力説
「最後だ」と意識したときに、その食べ物をより好ましく感じるという実験結果は報告されている。ただし、それは限られた条件での研究であり、皿に残った最後の一つを食べるときの幸福度が常に大きいとまでは言えない。
なぜ広まったか
「最後の一口がおいしい」という実感は多くの人に共通しており、研究結果の一部が単純化されて広まりやすい。心理学の研究は報道の過程で条件が省かれ、一般的な法則のように伝わることがある。この話は嘘の雑学を意図的に集めたネット記事でも題材にされているが、偶然にも近い研究が存在する例だ。
見分け方
心理学の研究結果を聞いたら、何を対象に、どんな条件で、何を測った研究なのかを確認するとよい。実験の条件と、話として語られている場面が一致しているかを比べると、どこが誇張されているかを見分けやすい。
よくある質問
- Q. 「皿に残った最後の一つを食べるときの幸福度は大きい」は本当?
- A. 「一部誤り」です。この話に近い研究は実在する。
- Q. 「皿に残った最後の一つを食べるときの幸福度は大きい」という説の真相は?
- A. 「最後だ」と意識したときに、その食べ物をより好ましく感じるという実験結果は報告されている。
- Q. 「皿に残った最後の一つを食べるときの幸福度は大きい」という説はなぜ広まった?
- A. 「最後の一口がおいしい」という実感は多くの人に共通しており、研究結果の一部が単純化されて広まりやすい。
- Q. 似た俗説を見分けるには?
- A. 心理学の研究結果を聞いたら、何を対象に、どんな条件で、何を測った研究なのかを確認するとよい。
出典
- What Kind of Chocolate is Best? The Last You Taste, Says a New Study— Association for Psychological Science
- Saving the Last for Best: A Positivity Bias for End Experiences— O'Brien, E. & Ellsworth, P. C. / Psychological Science (2012)
この記事について
執筆: DemaGase編集部 / 検証日: 2026-09-29 / 最終更新日: 2026-09-29
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