「人間が確認できている色は色全体の30%程度」は本当か?
公開日 / 執筆 DemaGase編集部
結論
「人間が確認できている色は色全体の30%程度」という説の判定は「誤り」。人間が見分けられる色の数は、数十万色から1000万色まで研究によって推定が異なる。
判定
信頼できる資料で否定されている、または根拠がまったく確認できず、事実として扱えない説です。 「誤り」と判定した記事の一覧
よくある説(俗説)
現在人間が確認できているすべての色は、まだ色全体の30%程度にすぎない
世の中には人間がまだ見たことのない色がたくさんあり、確認されている色は全体の3割ほどにすぎないという話がある。人間には見えない紫外線や赤外線があることから、色にも未知の領域が大きく残っているように感じられる。
検証
この主張は「色全体」が何を指すのかが定義されておらず、30%という数字を計算する根拠がない。色は物体そのものが持つ性質ではなく、目に入った光の波長を脳が解釈した知覚だとされる。人間の色覚は3種類の錐体細胞の組み合わせで成り立っており、見分けられる色の数は研究によって推定値が異なる。アメリカ眼科学会は「最大1000万色」という推定を紹介しているが、1998年の Pointer と Attridge の論文は、よく引用される1000万色という数字の出どころがはっきりしないことを指摘し、約230万色という推定を示している。このように「人間が識別できる色の数」には幅のある推定があるものの、それを「未確認の色を含めた色全体」と比較して割合を出す方法は存在しない。紫外線や赤外線は人間の目では色として知覚されないため、「人間が確認していない色」として数えることもできない。
実際の有力説
人間が見分けられる色の数は、数十万色から1000万色まで研究によって推定が異なる。ただし「色全体」という母数は定義できないため、人間が確認できる色が全体の30%程度だという主張には科学的な根拠がない。
なぜ広まったか
「人間には見えない世界がある」という話は神秘性があり、関心を集めやすい。紫外線や、多くの色を識別できるとされる動物の話と結びつくと、未知の色が大量にあるという印象が強まる。具体的なパーセンテージが示されると、根拠がなくても信頼できそうに見える。この話は嘘の雑学を意図的に集めたネット記事でも題材にされている。
見分け方
割合を示す主張を見たら、分母(全体)が何で、どう測ったのかを確認するとよい。分母が定義できないものについての割合は、それだけで根拠が乏しいと判断できる。科学的な数字は、どの研究・どの条件で得られたものかをたどれるかが目安になる。
よくある質問
- Q. 「人間が確認できている色は色全体の30%程度」は本当?
- A. 「誤り」です。この主張は「色全体」が何を指すのかが定義されておらず、30%という数字を計算する根拠がない。
- Q. 「人間が確認できている色は色全体の30%程度」という説の真相は?
- A. 人間が見分けられる色の数は、数十万色から1000万色まで研究によって推定が異なる。
- Q. 「人間が確認できている色は色全体の30%程度」という説はなぜ広まった?
- A. 「人間には見えない世界がある」という話は神秘性があり、関心を集めやすい。
- Q. 似た俗説を見分けるには?
- A. 割合を示す主張を見たら、分母(全体)が何で、どう測ったのかを確認するとよい。
出典
- How Humans See In Color— American Academy of Ophthalmology
- The number of discernible colours— Pointer, M. R. & Attridge, G. G. / Color Research & Application (1998)
この記事について
執筆: DemaGase編集部 / 検証日: 2026-09-29 / 最終更新日: 2026-09-29
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