「赤は生物が本能的に恐怖を感じる色」は本当か?
公開日 / 執筆 DemaGase編集部
結論
「赤は生物が本能的に恐怖を感じる色」という説の判定は「一部誤り」。一部の霊長類などでは、赤を威圧や危険の合図として避ける傾向が報告されている。
判定
一部には事実が含まれているものの、誇張や条件の抜け落ちがあり、全体としては誤解を招く説です。 「一部誤り」と判定した記事の一覧
よくある説(俗説)
「赤」という色は、生物が本能的に恐怖を感じる色である
赤は血や炎を連想させるため、生物が本能的に恐怖を感じる色だという話がある。信号や警告表示に赤が使われていることもあり、多くの人が納得しやすい。
検証
赤と「危険」「威圧」の結びつきには、一定の研究上の裏付けがある。2011年に学術誌 Psychological Science に掲載された研究では、野生のアカゲザルの雄が、赤い服を着た実験者からは、緑や青の服を着た実験者に比べて食べ物を取ろうとしない傾向を示した。研究者は、赤を避ける傾向が遺伝的な心理的素因に由来する可能性を示している。赤が優位性や攻撃性の信号として働く例は、霊長類以外の動物でも報告されている。ただし、これは「すべての生物」に当てはまる話ではない。赤を識別できない動物も多く、ウシは赤い色そのものに興奮するわけではないとされる。また、熟した果実の赤や繁殖期の赤い体色のように、赤が引き寄せる合図として働く場面も多い。
実際の有力説
一部の霊長類などでは、赤を威圧や危険の合図として避ける傾向が報告されている。しかし、赤を見分けられない生物も多く、赤が魅力の合図になる場合もあるため、「生物が本能的に恐怖を感じる色」と一般化するのは誇張だ。
なぜ広まったか
赤が警告色として社会で広く使われているため、人間の感覚がそのまま「生物全般の本能」として語られやすい。サルの研究のように実際の研究結果があることも、話を補強している。この話は嘘の雑学を意図的に集めたネット記事でも題材にされているが、一部には事実の核がある。
見分け方
「生物は〜」「動物は〜」と大きく一般化された話は、どの種で確かめられた結果なのかを確認するとよい。人間やサルで見られる傾向が、ほかの生物にも当てはまるとは限らない。
よくある質問
- Q. 「赤は生物が本能的に恐怖を感じる色」は本当?
- A. 「一部誤り」です。赤と「危険」「威圧」の結びつきには、一定の研究上の裏付けがある。
- Q. 「赤は生物が本能的に恐怖を感じる色」という説の真相は?
- A. 一部の霊長類などでは、赤を威圧や危険の合図として避ける傾向が報告されている。
- Q. 「赤は生物が本能的に恐怖を感じる色」という説はなぜ広まった?
- A. 赤が警告色として社会で広く使われているため、人間の感覚がそのまま「生物全般の本能」として語られやすい。
- Q. 似た俗説を見分けるには?
- A. 「生物は〜」「動物は〜」と大きく一般化された話は、どの種で確かめられた結果なのかを確認するとよい。
出典
- Stop On Red! The Effects of Color May Lie Deep in Evolution— Association for Psychological Science
- Red Signals Dominance in Male Rhesus Macaques— Khan, S. A., Levine, W. J., Dobson, S. D. & Kralik, J. D. / Psychological Science (2011)
この記事について
執筆: DemaGase編集部 / 検証日: 2026-09-29 / 最終更新日: 2026-09-29
上記の出典をもとに検証しています。検証方針と運営者はこのサイトについてをご覧ください。