誤り
「牛は赤い色を見ると興奮する」は本当か?
よくある説(俗説)
牛(特に闘牛)は赤い色を見ると興奮・怒り出す
闘牛士が赤いマントを振ると牛が激しく突進するのは、牛が赤色に反応して怒るからだと広く信じられている。
検証
牛の色覚は2色型(二色覚)で、赤と緑をほぼ区別できない。実験的に異なる色(赤・青・白)の布を使って牛の反応を比較した研究でも、色による反応の差は確認されておらず、牛を興奮させているのは布の動きや音である。闘牛で使われる赤いムレタ(muleta)の色は、牛を興奮させるためではなく、血が目立たないようにするためとされる。
実際の有力説
牛を興奮させるのは布の素早い動きや闘牛士の動作であり、色は関係しない。牛の網膜には赤色に反応する錐体細胞がほとんどなく、赤を鮮明に認識できない。
なぜ広まったか
闘牛の赤いマントという視覚的インパクトの強い映像が世界中に広まったことで、「赤=牛が怒る」という連想が定着した。人間が赤を「危険・怒り」の色として認識するバイアスも影響している。
見分け方
動物の感覚を人間の基準で解釈していないか確認する。動物の色覚・嗅覚・聴覚は種によって大きく異なり、人間の視覚的印象だけで行動を説明するのは誤りになりやすい。
出典
- Grandin, T. & Johnson, C. (2005) Animals in Translation— Temple Grandin, Catherine Johnson
- MythBusters Season 3: Episode 'Bullfighting' (2005)— Discovery Channel