「電気ウナギは基本的に静電気くらいの電気しか出さない」は本当か?
公開日 / 執筆 DemaGase編集部
結論
「電気ウナギは基本的に静電気くらいの電気しか出さない」という説の判定は「一部誤り」。電気ウナギは、探知やコミュニケーション用の弱い放電と、獲物を仕留めるための数百ボルトに及ぶ強い放電を使い分けている。
判定
一部には事実が含まれているものの、誇張や条件の抜け落ちがあり、全体としては誤解を招く説です。 「一部誤り」と判定した記事の一覧
よくある説(俗説)
電気ウナギは基本的に、静電気くらいの電気を放出している
電気ウナギは強い電気を出すイメージがあるが、実際には基本的に静電気程度の弱い電気しか出していないという話がある。「実は大したことがない」という意外な事実として語られることがある。
検証
電気ウナギ(デンキウナギ属)は、性質の異なる2種類の放電を使い分けるとされる。一つは低電圧の放電で、周囲の様子を探ったり、仲間とやり取りしたりするために使われる。もう一つは獲物を気絶させたり身を守ったりするための高電圧の放電だ。2019年に学術誌 Nature Communications に発表された研究では、新種として記載された Electrophorus voltai で860ボルトの放電が記録され、それまで知られていた650ボルトを上回る、生きている動物で最強の発電と報告された。つまり、弱い電気を出している時間があることは事実だが、必要なときには数百ボルトに達する強力な放電を行う。なお、冬場の静電気も電圧は高いが流れる電気の量はごくわずかで、電気ウナギの強い放電と同列に比べることはできない。
実際の有力説
電気ウナギは、探知やコミュニケーション用の弱い放電と、獲物を仕留めるための数百ボルトに及ぶ強い放電を使い分けている。弱い放電を出す場面はあるが、「静電気くらいの電気しか出さない」とまとめるのは誤りだ。
なぜ広まったか
電気ウナギが常に強い電気を出しているわけではないという事実が、「基本的には弱い」と単純化されて広まった可能性がある。「実はすごくない」という意外性のある話は雑学として好まれやすい。この話は嘘の雑学を意図的に集めたネット記事でも題材にされている。
見分け方
生き物の能力についての話は、どんな場面での性質なのかを区別して確認するとよい。「基本的に」「実は」といった言葉で一部の性質だけが強調されていないかに注意したい。
よくある質問
- Q. 「電気ウナギは基本的に静電気くらいの電気しか出さない」は本当?
- A. 「一部誤り」です。電気ウナギ(デンキウナギ属)は、性質の異なる2種類の放電を使い分けるとされる。
- Q. 「電気ウナギは基本的に静電気くらいの電気しか出さない」という説の真相は?
- A. 電気ウナギは、探知やコミュニケーション用の弱い放電と、獲物を仕留めるための数百ボルトに及ぶ強い放電を使い分けている。
- Q. 「電気ウナギは基本的に静電気くらいの電気しか出さない」という説はなぜ広まった?
- A. 電気ウナギが常に強い電気を出しているわけではないという事実が、「基本的には弱い」と単純化されて広まった可能性がある。
- Q. 似た俗説を見分けるには?
- A. 生き物の能力についての話は、どんな場面での性質なのかを区別して確認するとよい。
出典
- Unexpected species diversity in electric eels with a description of the strongest living bioelectricity generator— de Santana, C. D. et al. / Nature Communications (2019)
- Electrophorus voltai— Wikipedia
この記事について
執筆: DemaGase編集部 / 検証日: 2026-09-29 / 最終更新日: 2026-09-29
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