「ケンタッキーのレシピを知る人物は世界で2人だけ」は本当か?
よくある説(俗説)
ケンタッキーフライドチキンの味付けのレシピを知っている人物は、世界中にたった2人だけである
KFCのオリジナルチキンは11種類のハーブとスパイスで味付けされており、その配合を知っているのは世界で2人だけだ、と語られることがある。レシピは金庫に保管され、関係者でも全体を知らないという秘密管理の逸話として有名である。
検証
KFCのレシピが厳重に守られた企業秘密であることは事実である。KFCグローバルは、レシピは米国本社の金庫に保管され、2社がそれぞれ一部のスパイスを調合し、第三者が混ぜ合わせる仕組みだと説明している。また、同社ブログには「同時に2人だけが知る、またはアクセスできるとされる」という表現もある。しかし、日本KFC公式サイトは、ハーブとスパイスの配合を知っている人物を「世界でたったの3人」と説明している。さらに、KFC自身も「supposedly(とされる)」という含みを持たせており、実名や人数を外部から検証できるわけではない。したがって「世界中にたった2人だけ」と断言するのは正確ではない。
実際の有力説
より正確には、KFCの11種類のハーブとスパイスの配合は厳重な企業秘密で、全体を知る人やアクセスできる人はごく少数に限られている。ただし、公式情報の人数表現は2人と3人で揺れがあり、製造工程も複数社に分割されているため、単純に「2人だけが味付けレシピを知っている」とは言い切れない。2016年には創業者親族のスクラップブックからレシピらしきものが見つかったという報道もあったが、KFCは本物ではないと否定している。
なぜ広まったか
秘密のレシピ、金庫、11種類のハーブとスパイス、少数の人物だけが知るという要素は、ブランド物語として非常に覚えやすい。複雑な秘密管理体制が「知っているのは2人だけ」という短い雑学に圧縮され、テレビやネット記事で繰り返されたと考えられる。
見分け方
企業秘密の俗説では、秘密そのものと宣伝上の語りを分けて見る。公式サイトでも国や時期によって人数表現が違う場合があるため、数字だけを切り出さず、誰が何を「知る」のか、レシピを見る権限なのか、製造工程の一部なのかを確認すると誇張を見分けやすい。
出典
- おいしさへのこだわり 秘伝のレシピ— 日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社
- KFC U.S. Commissions RoboCop as its Newest Colonel and Guardian of its Coveted Secret Recipe of 11 Herbs & Spices— KFC
- Often imitated, never duplicated— KFC
- KFC Denies Its Secret Recipe Has Flown The Coop— CBS Chicago / Associated Press