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「焦げを食べるとガンになる」は本当か?

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よくある説(俗説)

焦げを食べるとガンになる

食べ物の焦げには発がん物質が含まれており、焦げを食べるとガンになる。だから焦げた部分は取り除いて食べなければならない、と広く言われている。

検証

焦げに発がん性物質が含まれることは事実だ。主な物質として、肉・魚を高温で加熱した際に生じるヘテロサイクリックアミン(HCA)と多環芳香族炭化水素(PAH)、そしてでんぷん質の食品を高温加熱した際に生じるアクリルアミドがある。これらは動物実験で発がん性が確認されており、国際がん研究機関(IARC)にも発がんの可能性がある物質として分類されている。一方で問題は「量」だ。動物実験で使われたHCAの量は、人間が一般的な食事で摂取する量の数千倍以上とされており、体重60kgの人が毎日100トン超の焼き魚を1年以上食べ続けるのに相当するという試算もある。人間を対象とした疫学研究では、よく焼いた肉を高頻度・大量に食べ続ける人で大腸がん・膵臓がん等のリスクがやや上昇するという報告があるが、これは日常の「焦げを少し食べる」レベルの話ではない。日本の食品安全委員会はアクリルアミドについて「発がんのリスクについて懸念がないとは言えない」としつつも、通常の食事での量では直接的なリスクは低いとしている。

実際の有力説

焦げに発がん性物質が含まれることは科学的事実だが、「食べるとガンになる」という表現は用量の問題を無視した過大な警告だ。通常の食事で焦げを少量食べることのリスクは極めて小さく、過度な焦げを毎日大量に食べ続けることが問題とされている。焦げを完全に避ける必要はないが、焦がしすぎをできるだけ避けること自体は合理的な習慣といえる。

なぜ広まったか

「発がん物質=食べるとガンになる」という単純化が起きやすい。発がん性物質の存在と、そのリスクの大きさは別の話だが、「発がん物質が含まれている」という事実だけが広まり、「食べたらアウト」という言い方に変容した。また食の安全に関するニュースはセンセーショナルに報道されやすいため、過度な警告が定着しやすい。

見分け方

「○○にはXという危険な物質が含まれる」→「○○は危険だ」という論理の飛躍は非常に多い。危険物質の存在と実際のリスクは別で、用量・曝露頻度・濃度が重要だ。「IARC分類で発がん物質」という情報だけでリスクを判断しない習慣をつけるとよい(IARC分類にはアルコールも加工肉も含まれる)。

出典

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