「グリーンランドには『自殺未遂税』がある」は本当か?
公開日 / 執筆 DemaGase編集部
結論
「グリーンランドには『自殺未遂税』がある」という説の判定は「誤り」。グリーンランドの自殺率は世界的に見て高い水準にあるが、「自殺未遂税」という制度が存在する根拠はない。
判定
信頼できる資料で否定されている、または根拠がまったく確認できず、事実として扱えない説です。 「誤り」と判定した記事の一覧
よくある説(俗説)
自殺率が最も高いグリーンランドには「自殺未遂税」があり、自殺が未遂に終わった場合、周囲にかかった清掃などの費用に5%を上乗せした額を本人が税として負担することがある
グリーンランドには、自殺が未遂に終わった人に対して、周囲の清掃などにかかった費用を税として負担させる「自殺未遂税」があるという話がある。グリーンランドの自殺率が高いことが知られているため、特別な制度があるように語られる。
検証
グリーンランドで「自殺未遂税」のような制度が設けられていることを示す資料は見当たらない。一方、グリーンランドの自殺率が世界的に見て非常に高いことは、研究で報告されている事実だ。1970年から2018年のグリーンランドのイヌイットを対象にした研究では、自殺率は1980年代後半に人口10万人あたり年間約120人でピークとなり、その後は低下傾向にあるものの、2015〜2018年も約81人と高い水準にあった。特に20〜24歳の若い男性で高いとされる。グリーンランドでは自殺の予防が重要な公衆衛生上の課題として研究・対策が行われており、自殺未遂をした人を罰するような税の存在は確認できない。
実際の有力説
グリーンランドの自殺率は世界的に見て高い水準にあるが、「自殺未遂税」という制度が存在する根拠はない。自殺は予防と支援の対象として扱われている課題だ。
なぜ広まったか
「自殺率が世界一高い」という実際の統計に、架空の制度が組み合わされることで、事実の一部を含んだもっともらしい話になっている。遠い国の制度は確かめにくく、意外な法律の話は雑学として広まりやすい。この話は嘘の雑学を意図的に集めたネット記事でも題材にされている。
見分け方
海外の変わった法律や税金の話は、その国の政府や議会、公的機関の情報で確認できるかを調べるとよい。正しい統計と組み合わされた話ほど、統計の部分と制度の部分を分けて検証することが大切だ。なお、つらい気持ちを抱えているときは、日本では「いのちの電話」や厚生労働省が案内する相談窓口などで相談することができる。
よくある質問
- Q. 「グリーンランドには『自殺未遂税』がある」は本当?
- A. 「誤り」です。グリーンランドで「自殺未遂税」のような制度が設けられていることを示す資料は見当たらない。
- Q. 「グリーンランドには『自殺未遂税』がある」という説の真相は?
- A. グリーンランドの自殺率は世界的に見て高い水準にあるが、「自殺未遂税」という制度が存在する根拠はない。
- Q. 「グリーンランドには『自殺未遂税』がある」という説はなぜ広まった?
- A. 「自殺率が世界一高い」という実際の統計に、架空の制度が組み合わされることで、事実の一部を含んだもっともらしい話になっている。
- Q. 似た俗説を見分けるには?
- A. 海外の変わった法律や税金の話は、その国の政府や議会、公的機関の情報で確認できるかを調べるとよい。
出典
- Time trends and geographical patterns in suicide among Greenland Inuit— Larsen, C. V. L. ほか (2023) / PubMed Central
- Suicide in Greenland— Wikipedia
この記事について
執筆: DemaGase編集部 / 検証日: 2026-09-29 / 最終更新日: 2026-09-29
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