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一部誤り

「遠くの緑を見ると視力が回復する」は本当か?

科学・医学科学・医学健康視力

よくある説(俗説)

遠くの緑を見ると視力が回復する

目を使った後に遠くの山や木々の緑を眺めると視力が回復する、と子どもの頃から言われることが多い。画面を長時間見た後の目の休め方として定着しており、眼精疲労対策としても紹介される。

検証

「遠くを見る」という行為には医学的な根拠がある。近くを見るとき毛様体筋は緊張して水晶体を厚くし、遠くを見るときは弛緩して水晶体を薄くする。長時間の近業(読書・画面凝視)で緊張が続いた毛様体筋を遠方凝視で緩めることは、眼精疲労(目の疲れ)の一時的な軽減につながる。ただし「視力が回復する」という表現は正確ではない。ここで起きているのは疲れた筋肉を休める効果であり、すでに生じている近視(眼軸の延長)そのものは元に戻らない。成人の近視が遠くを見ただけで改善する根拠はなく、眼科学でも否定されている。「緑色」に特別な効果があるかという点では、緑は人間の目が最も感度よく感知できる波長帯(約520〜560nm)に位置し、心理的なリラックス効果があるとされるが、緑色であることが視力に対して直接作用するメカニズムは確認されていない。なお、屋外時間の増加は子どもの近視進行を抑制する効果が複数の研究で報告されているが、その主な機序は「緑色を見ること」ではなく、屋外の強い自然光が網膜のドーパミン分泌を促すためとされている。

実際の有力説

遠くを見ることで毛様体筋の緊張が解け、眼精疲労の軽減効果があることは認められている。しかしこれは「疲れが取れる」ことであり、「視力が回復する(近視が改善する)」こととは異なる。緑色に特別な視力改善効果があるという科学的根拠は現時点では乏しく、主な効果は遠方を見るという行為に由来する。

なぜ広まったか

「疲れが取れる」という体験と「視力が良くなる」という期待が混同されて広まったと考えられる。また自然の中での生活が目に良いというイメージや、屋外が目に良いという研究成果が「緑を見ると視力回復」という単純な形に圧縮された可能性もある。

見分け方

「目の疲れが取れる」と「視力(近視など)が改善する」は別の話だ。後者は眼科学的に非常に難しく、自然の力では通常起きない変化を指す。「○○が良くなる」という主張は何が具体的に改善するのかを確認すると、過大な表現かどうかを見分けやすい。

出典

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