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「コーヒーをよく飲む人はがんになりにくい」は本当か?

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よくある説(俗説)

コーヒーをよく飲む人は、飲まない人に比べてがんになるリスクが低い

コーヒーをよく飲む人はがんになりにくいという話が健康情報として広まっており、「コーヒーはがんを予防する」という言い方もされる。毎日数杯飲めば病気リスクを下げられると信じている人も多い。

検証

「コーヒーが一部のがんのリスクを下げる可能性がある」という点には、一定の科学的根拠がある。特に肝臓がんについてはエビデンスが強く、国立がん研究センターの多目的コホート研究では、コーヒーを毎日飲む人は飲まない人と比べて肝臓がんの発症リスクが約50%低い傾向が確認されており、「ほぼ確実にリスクを下げる」と評価されている。子宮体がんについても「リスクを下げる可能性がある」とされ、大腸がんに関しても15〜20%程度の低減を示すメタ分析がある。WHO傘下の国際がん研究機関(IARC)は2016年にコーヒーを「ヒトに対しておそらく発がん性がない」と再評価し、肝臓がんと子宮体がんのリスク低減を認めた。一方で、問題は「がん全般のリスクが低い」という広い主張だ。コーヒーと乳がん・前立腺がん・膵臓がんの間には明確な関連は見られず、65℃以上の高温で飲み続けることは食道がんのリスクを高める可能性があるとIARCは指摘している。また、いずれの研究も観察研究(疫学研究)が中心であり、喫煙・食事・運動習慣といった交絡因子を完全に排除することは難しく、コーヒーが直接がんを予防するという因果関係の証明には至っていない。

実際の有力説

コーヒー摂取と肝臓がんリスク低減の関連は現時点では最も根拠が強く、国内外の大規模研究で繰り返し確認されている。しかし「がん全般のリスクが下がる」とまで言えるほど一様な証拠はなく、がんの種類によって関連の強さは大きく異なる。コーヒーが「がんに効く飲み物」と断言するには現段階では根拠が足りない。

なぜ広まったか

「コーヒーが体に良い」というポジティブな研究結果はメディアで積極的に取り上げられる一方、「特定のがんに対して一定の関連がある可能性がある」という慎重な表現が「がんになりにくい」という単純な言い方に圧縮されやすい。健康志向の高まりと、コーヒーが日常飲料として身近であることも、広まりを後押しした。

見分け方

「○○を食べると・飲むと病気になりにくい」という表現を見たとき、「どの病気か」「どの程度の効果か」「観察研究か臨床試験か」を確認するとよい。多くの食品研究は特定の疾患との相関を報告しているにすぎず、「全般的に健康になる」と読み替えると過大な解釈になる。

出典

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