一部誤り
salary は兵士に塩で給料を払ったことが由来か?
よくある説(俗説)
英語の『salary』は、兵士に塩で給料を払ったことを語源とする
『salary』は『salt』と関係し、古代ローマでは兵士が塩を給料として受け取っていた、という説明がよく語られる。
検証
『salary』がラテン語『salarium』に由来し、『salt』と関係するのは事実である。ただし、兵士に文字どおり塩そのものを給料として払っていた、という通俗的説明には古代資料の裏づけがないと主要辞典は述べている。したがって、『塩と関係する』ところまでは正しいが、『兵士に塩で給料を払ったから』とまで言い切るのは不正確である。
実際の有力説
『salary』はラテン語『salarium』にさかのぼり、語源的には『salt』とつながる。ただし、その具体的な由来を『塩の購入費』『塩の手当』『塩そのものの支給』などのどれかに断定する確実な古代証拠は乏しい。
なぜ広まったか
『salt』と『salary』のつながりは印象的で、しかも『昔は塩が貴重だった』という一般知識とも相性がよい。そのため、『兵士は塩で給料をもらった』という物語型の説明が覚えやすく広まりやすい。
見分け方
語源話が具体的すぎる場合は注意が必要。語の系統関係と、そこから語られる歴史エピソードは別問題なので、辞書が『語源は示すが、通説エピソードは裏づけなし』としていないか確認すると見分けやすい。
出典
- SALARY Definition & Meaning— Merriam-Webster
- Salt | Chemistry, History, Occurrence, Manufacture, Uses, & Facts— Encyclopaedia Britannica