「ティッシュの消費量世界一は日本」は本当か?
よくある説(俗説)
ティッシュの消費量が世界一多い国は日本である
日本の家庭や職場には箱ティッシュが置かれ、街頭でポケットティッシュが配られることも多い。そのため、日本人は世界で最もティッシュを使う国民で、消費量も世界一だという雑学として語られることがある。
検証
日本がティッシュをよく使う国であることは、一定の根拠がある。大王製紙は、日本の1人あたりティシューペーパー年間使用量を3.0kg、世界平均を0.6kgと説明し、日本を世界トップクラスの消費大国としている。ただし、これは「世界一」とまでは言っていない。また、日本製紙連合会は、日本の1人あたり紙・板紙消費量が世界でもトップクラスだと示しているが、これは紙全体の統計であり、箱ティッシュだけの順位ではない。一方、トイレットペーパー、ペーパータオル、フェイシャルティッシュなどを含む広い意味のtissue paperでは、業界誌Tissue Worldが米国の1人あたり消費量を非常に高い水準としており、日本が世界一とは言えない。つまり「日本はティッシュ消費大国」は妥当だが、「世界一」と断定するには、対象を箱ティッシュに限るのか、衛生用紙全体を見るのか、消費総量か1人あたりかを明確にする必要がある。
実際の有力説
より正確には、「日本は箱ティッシュやフェイシャルティッシュを多く使う国で、1人あたり使用量は世界平均を大きく上回るとされる。ただし、公開された比較統計だけで日本が世界一と断定するのは難しい」である。特に英語圏のtissue paperはトイレットペーパーやペーパータオルまで含むことが多く、この分類では米国などの消費量が非常に大きい。日本語の『ティッシュ』だけを指す場合と、国際統計の『tissue』を指す場合を混ぜると、順位の話はすぐにずれる。
なぜ広まったか
日本では箱ティッシュが安く、品質も高く、家庭内の複数の場所に置かれやすい。さらに、花粉症、風邪、掃除、化粧、街頭配布の文化など、使う場面が多い。この生活実感に『世界平均の何倍』という数字が重なり、『世界トップクラス』が『世界一』へ短縮されたと考えられる。
見分け方
消費量ランキングの俗説では、まず単位を確認する。総量なのか1人あたりなのか、金額なのか重量なのか、対象が箱ティッシュだけなのか衛生用紙全体なのかを見る。国際比較では、同じ単語でも分類範囲が国や統計で違うことがあるため、『世界一』という断定より、元データの品目名と年を確認すると見分けやすい。
出典
- 「エリエール」やさしさの秘密とは?知るほど楽しいティシューの話— 大王製紙
- 製紙産業の現状 世界の中の日本— 日本製紙連合会
- Global average per capita tissue consumption stands at above 5kg - but 10kg is possible— Tissue World Magazine
- 生活に身近な様々な紙類、その生産動向は?— 経済産業省